「海外で仕事をしていて英語は伸びるのか」問題

海外で働いてみて1年になる。

私はトレーニーとして働いているので、近いうちに一時帰国して英語のテストを受けてトレーニーの成果を報告しなければいけない。

そんなこともあり、シンガポールで生活・仕事してみて感じる英語について少し振り返ってみたい。

 

生活する上で英語は必要、だけどビジネス英語は?

シンガポール多民族国家で、なおかつ外資系企業がたくさん進出しており外国人も多い。英語は公用語の1つであり、シンガポールに暮らす人のメインの共通言語だ。

英語はコミュニケーションツールとしてなくてはならないもので、生きる上で必須である。ただ、日常生活においてはそこまで高いレベルの英語が求められることは少ない。

 

高いレベルの英語が求められるのはビジネスにおいて。では、仕事ではどうだろうか。

私自身、日系企業の社員かつ、仕事で関わる会社も日系企業が多いので、正直100%英語かというとそうではない。日本語:英語の割合としては50:50付近である。

他の日系企業を見ていても、日本人は日本人のチーム・島になっているケースが見受けられることが多いと思う。ある程度ランクが上がってから海外で仕事をすると、他のローカル社員に指示を出したり、会議に出席したりしてビジネス英語を身につけられる機会は嫌でも出てくるだろうが、若手はどうだろうか。どちらかというと、雑務(っぽいこと)や普段の会話という場面でローカル社員と英語で話すことの方が多いんじゃないんだろうか。これが例えばローカル企業や外資企業の現地採用だと英語の割合も上がるかもしれないが・・・。

ただし、(後々にローカル社員に共有されることも考慮されて)資料は英語で作成されることが多い。資料を作る(=手を動かす)メンバーの多くはまさに若手であり、ビジネス英語を全く使えないかというとそういうわけではない。

 

「きれいでない」英語圏を選択することの良いこと・悪いこと

先に述べたように、シンガポール公用語の1つは英語ではあるものの多民族国家である。また構成される民族は、中華系・マレー系・インド系などもともと英語をメインで使っていない人が多い。

そういうことも相まって、シンガポールの英語は訛りがかなり強い。中国語・マレー語がルー語よろしく英語に交じっていたり、イントネーションもそれっぽかったりする。

イメージとしては、日本語でいう標準語がアメリカ英語だとしたら東北弁・沖縄弁がシンガポール英語だろうか・・・。1年暮らしていても、ローカルの人たちがシンガポール訛りの英語で話しているのを聞いても100%内容を理解できない。。

そんなわけで、私はシンガポールでは「きれいな」英語が話されているかというとそうではないのでは?と思っている。

 

そういう国に行くと、日本で受けた教育で培ってきた「きれいな」英語を忘れてしまうという悪い点はあるが、決してそれだけではない。

最大の良いこととしては、英語に対するハードルが低いことだ。

多少間違っていても、みんな完全な英語を話しているわけではないので「通じればOK」である。私自身、お店やカジュアルな場面では単語だけで話すこともある。ジャパニーズ訛りを気にされることも少ない。

「英語を学びたい」という気持ちでシンガポールを選択することはお勧めしない。しかし、シンガポールは「いろんな文化の人と交流・仕事したい」「いろんな価値観に触れたい」という希望を120%満たしてくれる。

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待っているだけでは伸びない

いずれにせよ思うのは、「英語が伸びる・伸びないはケースによる。が、ケースは自分で作り出せる」ということだ。

留学にしろ駐在にしろ、海外に行くと日本人は日本人コミュニティで固まりがちである。もちろん人脈形成のためには大事だし、私自身現地で日本人の同僚や友達に助けられたことがたくさんあり、そういうコミュニティには顔を出してみてもいいと思っている。

だけど英語を使いたいというのであれば、積極的にローカルの人や外国人と絡みに行くべきだし、仕事でもそういう機会をリクエストすべきである。

いざ使える場面になったら、使える表現やコミュニケーション方法を彼らからひとつでも多く盗み、自分のストックにしていく。そういう地道な努力で伸ばしていくしかないのではないかと思う。