外から見た日本シリーズ:現金主義文化
日本から離れてみていろいろ気づいたこともあるので、そういうのも書き留めておこう。
1つ目は、日本の現金主義文化。
シンガポールに赴任になって、お給料がシンガポールドルでも支払われるので、赴任早々現地の銀行で口座を開いた。
(口座開設もかなり珍道中な感じだったので、また記事にしたい・・)
日本では、普通に口座を開いただけだとカードはキャッシュカードだけしかもらえなかった。
だけどこっちでカードを作ると、自動的に(?)デビットカード機能付きのキャッシュカードをもらえた。キャッシュカード・デビットカードだけでなく、EZ LINK(Suica的な交通ICカード)・ERP(ETCカード的な道路料金支払カード)の役目も果たしてくれるらしい。お得感ハンパない。
シンガポールでは、こういう機械があってどこのお店でもデビッドカード・クレジットカードが使える。
左はNETSというシンガポール独自のデビッドカード用の機械で、カードを店員に渡して暗証番号を打って決済する方式。
右はVISA・アメックス・マスター用の機械で、カードを機械にタップするだけで決済できる方式。左機械はどこにでもあるけど、右機械はまあまあ見かけるって感じ。
もう何って、これが本当に楽!!!!!マジ楽!!!!!!!
「PayWave」と店員に伝えてピッてするだけで支払い完了という手軽さ。
コンビニ・レストラン・スーパー・服屋・美容室・・・どこでも使える普及率の高さ。
また、シンガポールの通貨は種類が多いので現金で支払うとどうしても財布が重くなり、現金を避けたいという気持ち。
日本でも機械やサービス自体はどこにでもあるけど、セキュリティ面を気にしてかまだまだ現金派の人が多い。かくいう私も現金派だった。
一方、シンガポールではカード社会で、みんなどこでもピッと支払いを済ませる。効率を重視するシンガポールの国民性がカード文化に合っているんだと思う。
セキュリティ面の不安も、あんまり気にならない。実際に半年使ってみて悪用とかされたことないし、そもそもシンガポールの銀行って世界的に見て安全なので大丈夫かなって。
キャッシュレスサービスはどんどん進化している。
先日仕事で Singapore Fintech Festival 2017という見本市に行ってきた。
Fintechという、金融×ITを融合させて新しいサービスを作る動きが世界中で高まっている。新しいサービスって、キャッシュレスに関するものだと例えばこんな感じ。
・オンライン決済
などなど。
シンガポールは政府主導でFintechに関する取り組みを進めていて、例えばこういう見本市を開いて商談・発表の場を設けたり、レギュラトリーサンドボックスという規制緩和政策を設けていたりする。
Fintech Festivalでは、各金融機関・IT企業・スタートアップがブースを出して最新サービスを紹介していたり、カンファレンスで金融・政府関係者の人が「Fintechすごいよ(おおざっぱ)」と話していたり。
あと、(前述の政策の効果で)世界中の金融機関・IT企業がシンガポールにこぞってR&Dのためのラボを作っているという動きがあるんだけど、そのラボを見学しに行けたり。
そこで見たキャッシュレスサービスの多さ。
特にスタートアップは何十社見たことか・・・。正直、「またか」とブースを見るたびに心の中でつぶやいた。
アプリ開発という割とコストがかからない手段でサービスができちゃうので、大手企業だけでなくスタートアップも取り組みやすい。結果、どこもかしこもこの手のサービスを提供している。
それを会社に帰って偉い人に話したら、
「僕らが若いときは、紙からPCに切り替わっていく移行期だったけど、今はPCからスマホに切り替わっていく。サービスも合わせてどんどん進化していってる」
というお話をいただけた。
ただ、サービスがどんどん進化していって、世界が便利になっていっても、使う人の気持ちが変わっていなかったら意味がないよなあ。そういう「使ってみよう」と思わせるソフト面での働きかけも、サービスの進化に合わせて必要だと思った。